2014年10月26日

初、コントの作り方 C

------これまでのあらすじ------

学校から帰って来るなり、
今度学校で友達と
コントをやることになったので
「コントの作り方を教えて」
と言う小2の娘…


-------前回のつづき-------


やばい、
娘が混乱しかしていない。


「とにかく今の話は
 ちょっと置いといて
 なんとなーく
 何か思いついたこととか
 あるかな?」

「うーん…」


曲がっている。

娘の首がものすごく
横に曲がっている。

そらそうか。
小2で急に
コントの設定出せと言われても
難しい。

「そうだよね、急に言われても
 わかんな…」

「スプーンとおはし」

「え?」

「スプーンとおはし、かな」

「…が?」

「ケンカするの。
 こっちの方が便利だよー、って」


せ、成立している!


「うんうん、ケンカね
 いいよいいよ
 まず、それはどこで
 ケンカしたらいいかな?」

「どこって?」

「例えば…出来たら
 おはしもスプーンも一緒に
 使うような場面がいいよね?
 なんかないかなー
 おはしもスプーンも
 使うような食べ物…
 ほら、うどん じゃなくて
 そば じゃ な く て …
 えーと…」

「あっ!ラーメン!」

「あ!それいいねええ!
 ラーメン屋さん!
 じゃあ『れんげ』とおはしが
 ケンカするのかな」

「うん!
 れんげとおはしがケンカする!
 ラーメンの鉢の中で!」

「そうだね!
 で、おはしとれんげが
 こっちが便利!って揉めてて、
 おはしはどんなこと言うかな?」

「『お前、麺つかめるか?
 無理だろ!』って」

「うんうん!」

「でー、
 れんげは… うーん、うーん?」

「(小さい声)スープ…」

「あ!
 『お前スープ飲めねえじゃんかよ!』
 って言う!」

「いいね!そしたらおはしが
 『こうやってすくえるわ!』って
 おはしで必死に何回もすくって?」

「れんげが
 『いや、すくえてないじゃん!』
 って言うー!」



天才か…

ここにいたか天才が…


できそう。
ここにボケ入れていったら
なんとかできそうだ。
でもこれ以上
子供のコントに大人が
口を出してはいけない。

ここからは
娘の相方のAちゃんと
8歳ならではの感覚で
作ってもらおう。

きっと大人が考えるより
面白いものが
出来るに違いない。

「おもしろいの
 できそうだねー」

「うん!! 
 これで明日学校で
 Aちゃんと作ってみる!!
 ママありがとう!」

「楽しみにしてるねー」


娘よ、あなたなら大丈夫。

パパの仕事柄、劇場で
何度も生の笑いを見ているし
ママの仕事柄、
毎日バラエティを見て、
知らない内にある程度の
笑いの基礎は身について
来ているはず。

なんといっても
あなたには、まあまあ濃い
お笑いの血が流れている。

そうだ、
あれは
あなたが4歳の時でした。

ママは初めて
乗りつっこみを
教えたんだった。

ちょっと早いかな?
と思いつつもやらせてみた。

だけどあなたは
私の心配を余所に
見事に
「そーそー、これがおいちいのよ
 …ってこれ空っぽやないか!」
と、
「おやつどうぞ」とママが
出したお皿を一回
ちゃんとかじってから
つっこんだ!!

あの時の感動ったら。

そう、あなたなら出来る。

がんばれ!


そして次の日、
学校から帰って来た娘は
ランドセルを置くなり
嬉しそうに言った。

「ママ!コント決まったよ!」

「早いね!すごい!
 どうなったのかなー?」

「じゃあ、ちょっとやってみるね!
 見てね!」

「じゃあ、見せてもらおうかな!」

いそいそと布巾で手をふき
娘の前に体育座り。

瑞々しい8歳の感性は
あの設定をどう仕上げたのだろう。
ドキドキしてきた。
楽しみだ。


「じゃあ、いくよ!
 コント!ロボット!」


ロボット?

あれ?


動揺する母には目もくれず
娘は完全にロボットになりきった
歩き方で登場。

「ガシャーンガシャーン
 ガシャーン!!
 イマカラ、バクハツシマス!!

 (Aちゃんのセリフ:「え〜!」)

 3、2、1・・・

 (Aちゃん:「キャー!」)」


・・・


「・・・ハッピーバースデー!!
 (両手を広げてポーズ)」


・・・


「・・・終わり!
 ぎゃはははは!!」



あれ?


上を向いて、

あれれ?


振り返って、

・・・あっれーーー?



おっかしいなー???



れんげとおはし
どこ行った?

もしかしてどこかで
出て来てたの見落とした?

あれ?
笑いを職業とする
修士くんと私の娘で、
生のお笑いを見て
えーと
4歳の時から
乗りつっこみの…


ハッピーバースデー?


何?

サプライズってこと?

え?

おもしろいの?これ?

え?

めっちゃ笑ってるし…



「ちょっとこっちおいで」

「ふふふ、ママおもしろかった?」

「うん、ちょっとその前にさ
 この前言ってた設定と
 随分違うけど
 どうしたのかなー?」

「あー…
 あれはやめた
 ウケなさそうだから…」

ほーう

「それで
 これ思いついたから
 Aちゃんに言ったら
 『いいよ!』って言うから
 これにしたの!」

相方がイエスマンのタイプか…


「おもしろくなかった…?」

「お」

「…」

「おもし」

「…」

「おもしろいよ」


途中吐きそうになりつつも
私の中の母が勝った瞬間。


「ほんと?良かった!
 実は2も考えてるんだ!
 練習頑張るね!」

練習なんかいらんやろ!
2もあるんかい!

「そっか、頑張れ〜」


悶絶!!


結局みんなのやる気がなく
金曜日にまで延期になったという
娘の初コント!一体どうなる?
私はそれまで母を保てるのか!



     -----------次回に続く----------
posted by 2丁拳銃・修士の嫁 at 23:48 | TrackBack(0) | おすすめ力作「娘とコントを作る」@〜F | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月25日

初、コントの作り方 B

----------これまでのあらすじ-----------

学校から帰って来るなり、
今度学校で友達と
コントをやることになったので
「コントの作り方を教えて」
と言う小2の娘…


---------------そして前々回のつづきから


「じゃあまずは設定出しからやるか」

私の言葉にキョトツンの娘。

「せっていだし?」

「あのね、コントにはね、
 設定というのがあってね
 まあベタなので言うと…」

「ちょっと待ってねママ」

すぐにお絵かき帳を折った
自作のノートにメモを取り出す娘。

いいぞ!
初めてのバイトでそれが出来ると
意地悪な先輩に
「あのさあ〜メモってくれる?」とか
言われずに済むぞ!

娘は筆箱から
スヌーピーの2Bの鉛筆を出し
必死にメモを取りつつ言う。

「ねえママ、ゆっくりね?
 ゆっくり!
 あと小学生用だからね!
 わかってる?
 こどものコントだよ?」

「わかってるよ。
 設定と言うのはね
 シチュエーション…
 えーと、まあ簡単なので言うと、
 お医者さんと患者さん、とか
 あるでしょ、そういうの」

少し考えて娘が
「あ、
 どろぼうとおまわりさん、とか?」

おぉ!理解している!

「そうそう、そういうこと!
 そういうのでね、
 何かおもしろいことが起こりそうな
 設定を考えるの」

「何かおもしろいこと?」

「うん、
 ただのお医者さんと患者さんだと
 普通だけどね、何か付け足してみると
 ちょっと変になるんじゃないかな?」

「変に?」

「うーんそうだなあ、例えば
 『すごく怖がりの』お医者さんと
 『すごく声の大きな』患者さんだと
 どうなるかな?
 そんな風に、色々付け足して
 考えてみるの」

「怖がりのお医者さん?
 え〜!変だよ〜
 声の大きい患者さんはいるかもしれないけど」

「変だよね〜
 しかもすごーく怖がりなんだよ?
 そんなお医者さんのところに
 すごーく声の大きい患者さんが
 入って来たら
 きっと
 飛び上がってびっくりしちゃうよね。
 注射するのも
 怖くて目をつぶっちゃうかもねえ?」

「あはは
 それじゃあ逆だよー」

「 そ う だ よ ね 〜 
 逆 だ よ ね 〜 」

「逆〜! 変〜!」

「そう〜 変 なんだよ〜 変 」

「んふふ〜」

「あははー」




…書けや!!!

今やろ!

メモらんかい!

今の会話で
「…ハッ!!!
 そうか!そういうことか!
 わかった!わかったぞ!!
 (ガリガリガリ!)」
って、なるんちゃうんかい!

小堀やったら今頃
筆箱の角でどつかれてるで!

でも小堀じゃないから大丈夫!
だって小2のかわいい娘だもの!

とか思っているうちに
声に出しながらメモり出す娘。
ちゃんとわかってた!

「えーと、まずはせっていだし。
 かっこ、たとえば
 おいしゃさんと、かんじゃさん。
 ドロボーと、おまわりさん。
 それだとふつうだから…」

ものすごくちゃんとメモってる!
すごい!
そしてすでに小堀より字がキレイ!
えらい!

「なにか、へんなことを
 つけたす。たとえば〜…」


でも、

果たして


果たしてこれでいいのか?


まだ8歳の子供に、
こんな型通りのベタな
古いコントの作り方を教え
その通りに作らせて本当にいいのか?

大人と全く違う感性を持ち、
大人と全く違う思考で考える
単純で純粋な面白さを知っている
子供だからこそ、
8歳の今だからこそ、
この子にしか考えられない
ネタの作り方があるんじゃないのか?

私は愚かにもこの手で
その無限に広がるはずだったこの子の
笑いの可能性を
潰してしまったのではないだろうか!

やってもうた …!!!



「ねーママ?
 書けたよ〜 ありがとう!」

「捨てろ」

「え?」

「こんなもの捨てなさい!!
 全部忘れよう!ね!」

「なんでママ!?
 せっかく書いたのに!
 今からこれ見てネタ考えるんだよ!?」

「見なくていい!
 じゃあこうしよう。
 今書いたことは
 なんとなく基礎として
 ふんわりと一度頭に入れて、
 入れたけど、それから
 全っっっ部ぶっ壊して
 そのメモをやぶってから
 あなたが今、本当におもしろいと
 思えることを自由にやればいい!!!」

「えっ、えっ? 何???」


やばい。

娘、混乱しかしてない。



果たしてネタは出来るのか?


そして今日、
学校から帰って来た娘が衝撃発言。

「コント…
 またやる日が延びちゃった。
 っていうか出来るのかな?
 みんなやめたいって言い出して…」

新たな問題が!!


どうなる?娘の初コント!



     -----------次回に続く----------
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2014年10月23日

初、コントの作り方 A

-----前回のあらすじ-----

学校から帰って来るなり、
今度の金曜日に学校で
コントをやることになったので
「コントの作り方を教えて」
と言う小2の娘…

----------------------------

前回の続き『設定出し』

の前に、今日のこと。


いよいよ明日は金曜日。

仕事をしながらも
ソワソワする私。

いつもの時間、
娘が学校から帰って来た。

手洗いうがいの後に
「宿題やろーっと」

偉い偉い。

「終わったー
 おやつ食べる―」

どうぞどうぞ。

「ごちそうさまー
 DS(どうぶつの森)やっていい?」

うん…

1時間後。


『目の錯覚』という本を読みながら
「ほんとだ!
 こっちの方が太く見える!」と
妹と盛り上がっている娘。


…おい


お前いつネタの練習するねん!!

明日本番ちゃうんかい!

ネタは出来たんかいな!

ちゃんと相方と合わせたんかいな!

覚えただけではあかんで!

そこからがネタ合わせやで!

もっと時間を大事に使おうや!

お笑いに注ぎ込もうや!

DJだの芝居だの歌だの落語だの
売れてからいくらでもしていいからさあ!!

と、

小堀になら言ってるところだが
我慢我慢。

だって小堀じゃないですから。
小2のかわいい娘ですから。

なので、
洗濯ものを畳みながら
「あれ?
 そういえば明日って
 コントやる日じゃなかったっけ?
 大丈夫〜?」

すごい自然。
すごいいい感じに言えた。

すると娘は本から顔を上げずに
「あ〜、それ月曜に延期になった」


なんだと?


「だってみんな忘れてて
 誰も練習してないし
 ほとんど決まってないんだもん(笑)」

「あららー、そうなんだ(笑)」


え?

みんな忘れてた!?

忘れるんや???

こんな大事な初舞台を忘れて
誰も練習してないんや!?
さすが小2!

だいたい延期って簡単に言うけどな、
これがもしイベントやったら
どうするつもりやねん!

お金払って来てもらったお客さんに
なんて言うねん!

「だってみんな忘れてて
 誰も練習してないんだもん(笑)」
って言うんかい!
ありえへんやろ!

そもそもな、
こんな短時間でコント作るなんて
計画性がなさすぎるねん!

何も行事もない時に!

タイミングがおかしいねん!
だいたいそうや、
東京進出のタイミングもそう!
あのタイミングじゃなかったはずやねん!
まだまだ大阪で頑張らな
あかんかったんちゃうかなあ!
ほんまいっつもいっつも間違えるなあ!

小堀になら、言ってるところでした。
小堀にならね。
良かったー小堀じゃなくて。

かわいい娘には
笑顔で優しく言います。

「そっか、じゃあ月曜までに
 だいぶネタ詰めれるね」

「ダイブねたつめレル?」



ネタの詰め方も知らないのに
コントをやると言う娘!

どうなる?娘の初コント!



----次回、前回の『設定出し』のつづき----
posted by 2丁拳銃・修士の嫁 at 23:35 | TrackBack(0) | おすすめ力作「娘とコントを作る」@〜F | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする